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[ 展示案内 ]
過去の展覧会


自然のただなかに身を置き、光や風、水や花びらや葉に宿る本質的な美を引き出す造形をその場で行う現代美術作家ニルス=ウドは、1937年南ドイツのバイエルン地方に生まれた。1960年代にパリで画家としての活動を始めたが、当時のパリに先進的に現れた、美術学校、画廊、美術館に流通する商業主義的な既成の美術活動を疑問視する若い世代のアーティストの一人として、作家活動を見つめなおすために故郷に帰っている。1970年代から、生まれ故郷の南ドイツにて、自然と向き合い、自然環境に対する深い理解に根ざして、その場所にある植物や木の枝を使ってインスタレーションを行い、自然の中に実在する美を結晶化する、かれ独自の造形を生み出す活動を開始した。そして、活動の範囲をヨーロッパ各地、さらに日本を含む世界各地へと広げ、現在にいたっている。
その造形は時には風や水の動きによって数分間しか存在せず、また時には植物を植える行為となって季節の変化を待ち受けるものともなる。作家はこれらの造形を、最終的に大きくプリントした写真によって作品として結晶させている。こうした作家活動によって、長い歴史を持つドイツ・ロマン主義に通じる自然に対する深い省察の態度と、きわめて今日的な自然環境の保護に対する積極的な働きかけが、一つに結びつき、独自の作品世界を形成している。自然環境の破壊が進み、人間が自然との新たな、共生の関係を構築する必要に直面している21世紀に、ニルス=ウドの作品は静かに、しかし深く心に届く言葉で語りかけてくるのである。
本展は、ドイツ、アーヘンのルートヴィヒ・フォーラムを皮切りに1999年からヨーロッパ各地を巡回した展覧会をもとに、新たに構成したものである。ニルス=ウドの初期から最近作にいたる、133点の写真作品を、作品の主題に従って 「自然へ」「森」「花」「冬」「水」「巣」「人」の7つの章に分けて展示構成し、野外彫刻プロジェクトや景観デザインの記録写真、資料、さらにビデオ上映も加えて日本で初めてこの作家の全貌を紹介した。また、作家が展覧会にあわせて来日し、館林に滞在して美術館前庭に立ち枯れていたけやきの木と、近隣から採集した柳の枝を用いて野外制作作品《すみか》を公開制作した。さらに作家による公開ワークショップや、ギャラリー・トークなどの関連事業を行い、熱心な参加よりこの作家の制作に対する深い理解を得た。
会期2002年3月30日(土)-5月26日(日)
観覧料一般800円(640円)、大高生400円(320円)
※( )内は20名以上の団体割引料金
中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
主催群馬県立館林美術館ほか
後援ドイツ連邦共和国大使館/東京ドイツ文化センター
協力
協賛セント・メセナの会
関連事業
作家によるワークショップ、ギャラリートーク
学芸員による解説会など
群馬県立館林美術館
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