開催終了 企画展

孤高の日本画家展

特別展示 孤高の日本画家 礒部草丘・四方田草炎・大山魯牛-自然をとらえる独自のまなざし-

2009年12月12日(土) ~ 2010年4月4日(日)

芸術家が作品を生み出す道のりは、ときに美術学校で学び、師と呼ぶべき人に教わり、様々な美術団体やグループ展で切磋琢磨することはあっても、結局はアトリエでの孤独な営み以外の何ものでもない。その芸術が独自であればあるほど、その孤独さも増す。本展では、孤高の道を歩んだ群馬県ゆかりの三人の日本画家に焦点をあて、その画業と作品を三期に分けて紹介した。
群馬県伊勢崎市に生まれた礒部草丘(1897~1967)は、川合玉堂に入門して帝展や新文展に出品、同門の児玉希望と戊辰会を結成して昭和初期の日本画壇で注目されたが、戦後は団体を離れ、個展を中心に画業を展開。漢詩や俳句にも優れ、作品に自作の詩を添えることもあり、日本画の伝統と精神性を最後まで大事にした作家である。第一期は、群馬県立近代美術館と伊勢崎市が所蔵する礒部草丘の作品33点と資料3点を展示した。
第二期は、埼玉県本庄市に生まれた四方田草炎(1902~1981)を取り上げた。川端龍子に師事した草炎は、自己の芸術を追究するために龍子の主宰する青龍社をとびだし、画壇から遠く離れた地点で制作を続けることになる。その芸術は、本画として完成させる以前の素描作品に余すところなく表現され、横山大観をはじめとした多くの画家をうならせた。中でも群馬県霧積山中にこもって制作した素描の数々は、草炎芸術の本質を十分に伝えてくれる。この展示では、群馬県立近代美術館が所蔵する作品34点を紹介した。
最後に、東京日本橋に生まれ、生後間もなく実家のある足利に移り住んだ大山魯牛(1902~1995)を紹介した。館林の小室翠雲に師事して南画を学び、日本南画院や帝展に出品し、戦後は新興美術院で作品を発表した作家である。終生南画にこだわりながらも西洋の新しい抽象表現や造形性も取り入れ、魯牛独自の作品世界を展開した。その自由奔放な作品世界は、南画の精神性を受け継いだものともいえよう。足利市立美術館所蔵の44点と資料1点によって、その全貌を示した。
本展は、近代日本画の歴史に異彩を放つこれら三人の画家の作品を順次紹介したが、併せて「工芸」「群馬美術協会の作家たち」「同時代の日本画」のコーナーを設けて、関連作品などを展示した。

会期
2009年12月12日(土)~2010年4月4日(日)
第I部 礒部草丘(いそべ ・そうきゅう) : 2009年12月12日(土) - 2010年 1月17日(日)
第II部 四方田草炎(よもだ ・そうえん) : 2010年 1月20日(水)- 2010年 2月21日(日)
第III部 大山魯牛(おおやま ・ろぎゅう) : 2010年 2月24日(水) - 2010年 4月 4日(日)
会場
群馬県立館林美術館 展示室2、3
観覧料
一般300円(240円)、大高生150円(120円)
※( ) 内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料
※展示室4で開催のコレクション展示もご覧になれます。
主催
群馬県立館林美術館
協力
足利市立美術館

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