開催終了 企画展

光のかけら

特別展示 鵜飼美紀+辻和美-光のかけら-

2005年12月10日(土) ~ 2006年4月2日(日)

当館の展示室1は、南側に大きなガラス面を広げ、そこに差し込む太陽の光によって、一日の間に大きく表情を変える。この展示室を舞台に、ガラスの素材をもちいる二作家、鵜飼美紀と辻和美がコラボレーションにより制作、展示を行った。
鵜飼美紀は、手のひらを合わせたくらいの大きさになるガラスの器いっぱいに水を入れ、床に散りばめるインスタレーションを行った。器の水は、作家の手ですくわれた水がそのまま床に置かれていったかのように、その動きの軌跡を示しながら、反射する光によって点描を描き出すものとなった。
ガラス作家の辻和美は、一つ一つ自らの手で造形した「涙」の形をいくつも天井から吊すインスタレーションを行った。人間の感情の流れを瞬間的に停止させるかのように中空に浮かぶ滴は、空間に立つ人と周囲の景色をうつしだしながら、自らの心の在処について問いかける意味を持っていた。
光を透過する素材を共有する二作家の世界は、本展で初めて出会い、当館の壁、天井、ガラス面すべてが弧をえがく独特の構造をもつ展示室1と共鳴しながら、両者はゆるやかに混じり合うものとなった。インスタレーション全体が、人と外の風景を無限に反復してさざめきあう「光のかけら」の小宇宙を形成していた。
器に水を入れた鵜飼美紀の作品は、会期中、水やりのメンテナンスを行ったが、会期中3回は、一般から水やりボランティアを募集し、当日、作家から作品や制作についての話を聞いた後に作業を行い、作品との関わりを深めてもらう機会となった。

  • 鵜飼美紀 《無題》 1999年 落花生工場跡、千葉 撮影:大村雄一郎
    鵜飼美紀 《無題》 1999年 落花生工場跡、千葉 撮影:大村雄一郎
  • 辻和美 《居心地の良い部屋》 2004年 立体ギャラリー射手座、京都
会期
2005年12月10日(土)~2006年4月2日(日)
観覧料
一般200円(160円)、大高生100円(80円)
※( )内は20名以上の団体割引料金
中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名
主催
群馬県立館林美術館

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