開催終了 企画展

粋な古伊万里

粋な古伊万里 江戸好みのうつわデザイン

2018年1月20日(土) ~ 2018年4月8日(日)

江戸時代の初め、現在の佐賀県有田において国内初の磁器が生み出されました。伊万里港から積み出されたことから「伊万里焼」と呼ばれます。
磁器はそれまでは中国と朝鮮からの希少な輸入品であり、伊万里焼も初期は大名や公家などの上流階級の間で用いられました。大きな転機は、17世紀中頃から18世紀初めにかけて、中国磁器のヨーロッパ向けの輸出が中断したことを契機に、オランダの東インド会社より注文を受けて豪華で大型の磁器を大量に輸出したことです。技法も釉薬の下に青で描く染付に加えて多色の色絵や金彩の技術が開発され、元禄時代には富裕な町人層が伊万里焼を享受するようになります。絵柄も中国陶磁に倣うものから、日本風のものも生み出されていきます。
江戸中期になると、上方を中心に栄えた華やかな町民文化である元禄文化の影響が江戸にも伝播し、さらに文化・文政時代を迎えると、上方に代わって江戸が文化都市としての成熟をむかえます。
この時代に、歌舞伎や人形浄瑠璃、浮世絵版画といった多くの娯楽が庶民の間に隆盛し、人々は「いき」な江戸文化を謳歌しました。また、屋台や旅籠、料亭も盛んとなり、伊万里焼もこれに応えて、それまでの絢爛豪華な作風とは異なる機知に富んだ形や絵柄を作り出していきます。
本展では、初公開の伊万里焼のコレクションを、江戸時代前半の作品も含め、江戸時代後期の庶民に享受され、現代にも受け継がれたデザインをもつ食器の数々を中心にご紹介します。この機会に江戸時代と現代の暮らしをつなぐ伊万里焼の世界をご堪能ください。

  • 《染付蛸唐草文段重》18世紀後期  写真©Toyama Takayuki
    《染付蛸唐草文段重》18世紀後期 
    写真©Toyama Takayuki
  • 《色絵兎花唐草文大鉢》19世紀後期
    写真©Toyama Takayuki
  • 《色絵陽刻扇菊唐草文水注》18世紀 写真©Toyama Takayuki
    《色絵陽刻扇菊唐草文水注》18世紀
    写真©Toyama Takayuki
  • 《染付麒麟花唐草文結文形皿》18世紀中期 写真©Toyama Takayuki
    《染付麒麟花唐草文結文形皿》18世紀中期
    写真©Toyama Takayuki
  • 《染付捻花蛸微唐草文大皿》19世紀前期 写真©Toyama Takayuki
    《染付捻花蛸微唐草文大皿》19世紀前期
    写真©Toyama Takayuki
  • 《青磁染付山水文輪花鉢》18世紀後期 写真©Toyama Takayuki
    《青磁染付山水文輪花鉢》18世紀後期
    写真©Toyama Takayuki
会期
2018年1月20日(土)~4月8日(日)
時間
午前9時30分~午後5時 ※入館は午後4時30分まで
休館日
月曜日(ただし2月12日は開館)、2月13日(火)
観覧料
一般 610(480)円、大高生 300(240)円  ※( ) 内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳等をお持ちの方とその介護者1名は無料。
※震災で避難されてきた方は無料で観覧できますので、受付でお申し出ください。
主催
群馬県立館林美術館
企画協力
株式会社アートプランニング レイ

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